>>トップへ












-今村 それでは、本日のおわりの会のゲストは「ぬいぐるみハンター」主宰、池亀三太さんです。

 (池亀三太、登場)

-今村 (おわりの会の趣旨説明が入り)「ぬいぐるみハンター」さん実は今回で2回目の参加となりまして、『15 Minutes Made Volume14』では唯一なんですけども。

-池亀 そうですね。

-今村 前回出ていただいたのが、もう…。

-池亀 6年前とかになるので、2010年。

-今村 2010年12月の『15 Minutes Made Volume10』で、「少年社中」「田上パル」「トリコ劇場」「世田谷シルク」「ぬいぐるみハンター」っていうラインナップで。「少年社中」さん、また出てくれないかなあ…。

 (会場、笑い)

-池亀 紀伊国屋ホールでやってますね。

-今村 じゃあ、僕らが紀伊国屋ホールに行けばいいのか…。







-今村 どうですか、久しぶりの15 Minutes Madeは。

-池亀 あの時はダントツで若手だったんですけど。

-今村 6年前ですからね。

-池亀 それから6年経って。で、今回ラインナップ見て、劇団の設立的にはわりともう老舗の方の部類、「日本のラジオ」さんと同じくらいなので。だから自分でも、結構そういう風な戦い方をするのかなと思ってたら、全然新人みたいな作品持って来ちゃって。

-今村 そうですね。旗揚げか、みたいな。

-池亀 なんか、こんな…何も成長してねえなって。

-今村 いやいやそんなことない。6年経ってもぬいぐるみっていう。

-池亀 いやーなんか、この自分の成長の無さにびっくりして。

-今村 いや違うんです違うんです、そういうことではなくて。あの、本当に違うんですよ。「ぬいぐるみハンター」さんって元々、何でもありっていうか。会話も…詩的な会話もあるし、勢いのある身体表現もあるし、音楽も色んな曲もバンバン使っていく印象ですし。本当になんでも取り入れて、強度の強い作品を「ドンっ」て、コメディタッチでまとめて巧く見せていく集団なんですけど。久しぶりに(15 Minutes Madeへの参加)どうですか池亀さんというお話をした時に、最近は戯曲に力を入れているという。

-池亀 そんな言い方してました?

-今村 会話がしたいですと、いったようなお話を。

-池亀 あぁ、人間を描きたいみたいな。

-今村 そう、人間を描きたいと言っていただいて。あ、じゃあ進化したというか、新たなる「ぬいぐるみハンター」を持ってくるかと。

-池亀 そうですね。骨太な。

-今村 そう、骨太な。

-池亀 骨太なやつを持ってくると思いきやー…。

-今村 思いきや。あれー…(昔と)おんなじやぞと。

 (会場、笑い)







-今村 いや、違うんです。それにはね、色々事情がありまして。この『15 Minutes Made Volume14』というものをやる時に、全集団が揃った段階で、一度演出家さんに集まっていただいて会議をするんですね。それが本番の二ヶ月前とかなんですけども。

-池亀 はい。

-今村 まだ各集団、台本はもちろん出来てないんですけど。その時に、大体どのくらいの人数が出て、どういった作品をやるかっていう、そういうお話をしていただくんですけど。今回、結構その「日本のラジオ」さんとか「キ上の空論」さんとか、あとまあ僕ら(Mrs.fictions)もそうなんですけど、人数少な目の会話劇をしたいんだという集団さんが多かったんですね。で、「ぬいぐるみハンター」さんも。

-池亀 そうなんです。元々三人芝居で、構想的には病院の屋上を舞台にした会話劇、っていう風に思ってたんですけど。

-今村 (景色も)夕方、みたいな。

-池亀 はい。結構、哀愁満ち溢れた会話劇をやろうとしてて。

-今村 だけど、その会議を受けて、その日の夜に池亀さんが方向転換感をすると、「集められるだけ男優を集める」と仰って。だからその方向転換のお陰で、今回『15 Minutes Made Volume14』が一つのパッケージングとして見やすいものになったんじゃないかなと。色んな、バラエティーある作品が並んでると思うんですけど、その日の会議を経て池亀さんが、このラインナップの中でちゃんと目立つ作品というか、この中での戦い方を選んで来てくれた。そのお陰で、公演のバランスが取れたなと思っていて。

-池亀 でも僕の意識の中では、この企画に凄く甘えさせてもらっている気がしていて。

-今村 なにっ?

-池亀 作品に対しても、2回目の参加っていうとてもありがたい機会だから、今の「ぬいぐるみハンター」の集大成がちゃんと一個出せればなと思ってたんですけど。演出会議で集まって話をしていたら、当たり前だけどみんなちゃんと作品を作ろうとしている。そういうのを聞いてたら、なんか、「もっと僕挑戦させてもらえるんじゃないかな」と思って。なんか色々立ち返って、また新たなところに行けたらなと思って。色々そぎ落とした結果、立ち返って、フレッシュになって返ってきました、みたいな。

-今村 いやーもう、聞きました?ありがとうございますほんとに。

-池亀 だから凄いなんか甘えさせてもらって、挑戦させてもらってる形なので。

-今村 あー。

-池亀 かつ自分的に凄く好きな作品になったなと思っているので、それは凄くありがたいと思っています







-今村 久しぶりに15分作ってみていかがでした?

-池亀 いや、難しいですね。なんでみんなそんな簡単に15分に収まってんだって、不思議に思ってます。

-今村 今回の集団みんな15分台に乗ってて。ちょっと怪しいのが日本のラジオさんがね、14分台で、日に日にちょっとずつ短くなってたり。もう少し短くなったら指導がひとつ入りますんで。

 (会場、笑い)

-今村 でも、基本的には皆さん、タイムラグ数十秒みたいな15分が並んでいて、(会場に)結構体感違ったもしれないんですけど、みんな同じ時間なんです。どうでしたか、最初に書いてきたのがなんか…。

-池亀 そうですね、25分くらいあって…で、これどうしようみたいな話になって。ホントは「みゆき」(今作のタイトルであり主人公)をどこまで成長させるのかって…最初はみゆきの生涯を閉じるところまで15分で行けないかなと思ってて。

-今村 うんうん。

-池亀 書きだしたら二十歳すぎくらいで、もう30分近いとこまでいってたから、あ、これ全然駄目だってなって。じゃあどこでこの劇を終わらせようかなって思って、あの二十歳の誕生日で、女優やるって宣言するところがいいなと思って。そこをケツとして考えて…それでも20分以上あったんですけど。

-今村 なるほどなるほど。

-池亀 なんか、そこから結構役者さんの協力を得ながらどんどん削る作業、一文字単位で削ったりとか、そこの間を縮めてみたいな感じで、凄い細かい作業を役者さんたちにやってもらった記憶がありますね。







-今村 そう、僕も今回(ぬいぐるみハンターの作品に)出演させていただいて。

-池亀 ありがとうございます。

-今村 ありがとうございます。

-池亀 「かき集めるぞ」っていうついでに今村さんも誘ったっていう…巻き込んじゃって。

-今村 びっくりしちゃいました。ありがとうございます。というわけで演出家さん…ど、ど、どう、わあ、演出家さんだ。どうすっかね…ぼくは…あの、公開ダメ出しを求めるっていう。

-池亀 今村さんは、なんか、何回か役者で出られてるのを僕は拝見させて頂いてるんですけど。とても気持ち悪い方だなと思っていて。なんか人間的に嘘くさいなと思ってて…。

-今村 はい。うわ。(戸惑う今村)

 (会場、笑い)

-池亀 そういう意味で発言に信憑性がないというか、鵜呑みに出来ないところがあって。

-今村 そうなんですそうなんです。

-池亀 そういうところが凄く、俳優として魅力だなと思って、今回、ああいった役で。


-今村 はい、ありがとうございます。それ言い方ですね。

 (会場、笑い)

-今村 そうなんです僕は結構胡散臭くて、あの、なんだろう…役の上で、例えばその、女性に告白するみたいなシーンが一番苦手ですね。

-池亀 あー。

-今村 あの…好きだって伝える、全然それ好きって(思っててても)…いや好きだって気持ちは、馬鹿…、そこらへんなあ。

 (会場、笑い)

-今村 うまく操れたらいいんですけどね。まあ、胡散臭いところに関しては大丈夫なんですけどね。

-池亀 だから、その胡散臭さを大事に、今回活用させて頂いてます。ホントに助かってます。

-今村 いやーありがとうございます。








-今村 実は、今回ネタ被りしてるんじゃないかっていう説もあって、Mrs.fictionsと。

-池亀 あ、そうですね。

-今村 みゆきも女優で終わるし。

-池亀 はい、僕も、思ってます。

-今村 ね。でも、こんなに感触の違うものになるとは…。

-池亀 そうですね。この、自分が上達してねえなって思う要因の一個ではあるんですけど、ミセスさんは達人の域に達してますよね、15 Minutes Made。

-今村 いやでも、試行錯誤してるんですけどね。わりかし苦労しながら毎度作品作りをしています。

-池亀 いや、でもなんかホント巧いなと思ってます。僕、作品見せ稽古で初めて他の団体さんの作品見させてもらった時に、終わっあとすぐ、作演出の中嶋さんの所にこっそり行って。稽古場の隅で、めっちゃくちゃ良かったっす、って会話を…。

-今村 そんなことをしてたんですね

-池亀 これは早く中嶋さんに伝えなきゃと思って。

-今村 嬉しいです。でも僕らもやっぱり、台本も試行錯誤でしたし、完本した後も、化粧をしながら、演じながらっていうのが結構難しくて。最初通した時、多分18分くらいあったかな…。15分に向かうのが、結構ホントに本番迎えるギリギリまでずっと大変だったなっていう記憶がありますね。だから、褒めていただいて嬉しいです、ホントに。








-今村 どうでしたか、他の集団さんとかで気になったところは。

-池亀 すごい何か、本番みんなこんな感じなんだなと思って。ホント演劇の懐の深さっていうか…あ、何でもやれちゃうんだなと思って、すごい新鮮に見させて貰ってます。ホントにみんな全団体好きだなと思っていて。

-今村 おお。

-池亀 稽古場では見ててよく分かんないものがあったりして、完成形が想像つかなかったんですけど。「日本のラジオ」さんとか「可愛いコンビニ店員飯田さん」とか、普段僕が接してないような演劇の部類だから。

-今村 はいはい。

-池亀 自分ではもちろん作れないですし。だからこれは…どういう風な感触でお客さんに伝わるんだろうっていうのを思ってたんですけど。本番、ギャラリーの上とか客席で見させてもらったら、あ、なるほどっていう。

-今村 そうなんですよね、なんだろう…。

-池亀 「あ、こういう面白みなんだ」ってのが、結構新鮮でした。

-今村 「キュイ」さんに関しては何回かアフタートークで言ってるんですけど、本番から急に(作品の完成度が)ぐっと上がったんですね。本人たちも全然手を抜いてるとかではなかったんですけど。ゲネプロじゃなくて本番になった時に、これか!ってのが立ち上がって見れたので…あれは、なんですかね。

-池亀 なんですかね。

-今村 面白いですよね。








-今村 あと、「日本のラジオ」さんの凄いところは、あのカーテンコールでこう…。

 (「日本のラジオ」のカーテンコールを実演する今村)

 (会場、笑い)

-今村 あそこでは拍手させたくないっていうことを主宰の屋代さんが言っていて、その成功率も100%なんですよね今のところ。


-池亀 はー凄い。

-今村 そのコントロール率凄いなと思って。それに比べて「ぬいぐるみハンター」ね。

-池亀 あのノーコン(トロール)、すごいですよね。あんなに大々的にカーテンコールやってて。

-今村 そうそう。

-池亀 あの今日、(カーテンコールで)拍手して頂いてありがとうございます。

-今村 あれは大正解なんですよ。

-池亀 あれ、お客さん、なんか凄い戸惑うんですよ。

-今村 あれ…あれはね、分かんないですよね拍手していいのか悪いのか。あれ?このカーテンコール、まだお芝居の中のものなんじゃないかって。次また明かりがついたら、なんかホウキとかで掃除しているみゆきちゃんが、出てくる可能性全然あるじゃないですか。だからお客さんもあのタイミングで拍手してもいいのか、やっぱ戸惑う。

-池亀 いやたぶん、演出家としてちゃんと拍手をしてもらう術は全然あるんです。あるけど、それもなんか違うなと思ってしまって、こういうカーテンコールに…。

-今村 そこらへんの、拍手して欲しい欲しくないは…?

-池亀 それも結構せめぎあってて。ちょっと、あのマイナーチェンジとかを、あのブルー転(転換明かり)中に松本みゆきさんがこっそりこの上手の辺りで「ありがとうございました」って言ってて、その辺の人にだけ伝わるみたいな、そういうズルとかはしてるんですけど。なんかもうそれさえあの、今回「犬と串」の主宰のモラルさんに出演して貰ってて、チクっと「いいんか池亀それで」みたいな。

-今村 池亀、何を日和っとるんだ、と。

-池亀 そう。6年前の池亀だったらそんなことはさせてないぞっていう。

 (会場、笑い)

-今村 なんなんですかねそれは。してもらえば良いじゃないですか、って思っちゃうんですけど。

-池亀 いや、しては貰いたいんですよ。して貰いたいけど、どっちなんだろうっていう世界観のまま終わりたいなっていう。

-今村 あー。

-池亀 「つづく」って言ってるし。

-今村 あーなるほどなるほど、物語は続いて行くっていう。

-池亀 それも良いかなと思っていて。ただなんか、拍手は貰いたいって気持ちは凄くあります。

 (会場、笑い)

-池亀 ただその、貰いたいっていう気持ちと、この終わり方の折り合いは、ついてないです。

-今村 我々(出演者側)も大丈夫だったのかなっていう。池亀さんの狙い通りに出来ているのかなっていう。お伺い出来てよかったです。。

-池亀 お客さんより、割とこっち側(舞台上)がワイワイしてるから、最終的になんかマヌケな感じで終わっていけたらなあっていう。

-今村 なるほどなあ。

-池亀 間抜けさの余韻が残ればなと思って、ああいう終わり方にしています。

-今村 なるほどそういうことだったんですね。でも今日は皆さん勇気を持って(拍手して下さって)ありがとうございます。なんか久しぶりだなと思って。

-池亀 そうですね。

-今村 嬉しかったです。

-池亀 いや良くないですよね…。「日本のラジオ」さんが拍手ないから。

-今村 ラジオさんと拍手してない被りみたいな。

-池亀 あんな温度差あるのに。

-今村 そうそうそうそう。全く作品違うのに、そこだけ同じか、みたいな。








-今村 といったところでですね、まだまだお話していきたいんですけども、なんと間もなくお時間でございます。何かご質問などありましたら、何でもお答えいたします。これあの皆さん、手をこういう時、挙げづらいのは承知のことなので、全然いいんですけど。何かあったら何でも答えますよっていう。…何でも大丈夫ですよ。…周囲にいるポケモンについてとか。王子はわりと、いいポケモンが。

-池亀 劇場裏手の柳田公園に、ピカチュウがいるって…。

 (会場、へぇーというリアクションの後、笑い)

-今村 みんな知りたいんじゃん!あと、王子駅向こうの飛鳥山公園も結構、色々生息地らしいんで。

-池亀 劇場の中でもフシギダネが発見されたって。

-今村 まじですか。お席では電源はオフでお願い致します。

-池亀 ポケモンGO、全くやってないんですけど。

-今村 僕もあんまり知らなくて、可愛いやつだけ集めてるんです。

-池亀 人がやってる情報だけ聞いて、それで飽きちゃって…。

-今村 イーブイってのが凄い可愛くて、そいつにほしの砂ってのを全部ぶっこんで…まあいいや、こんな話はいいんですよ!!

 (会場、爆笑)

2016年8月14日(日)15:00実施のアフタートークより書き起こし




上演記録
ぬいぐるみハンター 「みゆき」

作・演出:池亀三太
出演:みゆき …松本みゆき
   父ちゃん…榎本純
   新しい父ちゃん/刑事…杉浦雄介
   悪ガキ/ヨシキ…生駒元輝
   悪ガキ/トシ…葛生大雅
   悪ガキ/ヒデ…松本亮吾
   おかわり…新沼たかゆき(ザレ×ゴト)
   ヤクザ/先輩/王子…北尾誠(MICOSHI COMPLEX)
   ヤクザ/先生…林弦太(スーパーエキセントリックシアター)
   店長…今村圭佑(Mrs.fictions)
   演出家…モラル(犬と串)



今後の予定
 松本みゆき twitter ブログ  榎本純 twitter  杉浦雄介 twitter  生駒元輝 twitter  葛生大雅 twitter
 松本亮吾 twitter  新沼たかゆき twitter  北尾誠 twitter  林弦太 twitter  今村圭佑 twitter  モラル twitter

■ぬいぐるみハンター次回公演
『のろまな亀よ(仮)』
作・演出 池亀三太
2017年2月22日(水〜28日(火)OFFOFFシアター
http://www.nuigurumihunter.com/

■池亀三太 脚本
AKB ラブナイト『恋工場』テレビ朝日
毎週水曜 深夜1:41〜

■池亀三太 出演
映画『秘密 THE TOP SECRET』監督 大友啓史
全国公開中

■松本みゆき 出演
エレメント『リーディングドラマ「Re:」』作 土田英生
2016年10月1日(土)、2日(日) 参宮橋トランスミッション
http://element-project2.wixsite.com/rere

■杉浦雄介 出演
こわっぱちゃん家
池袋演劇祭参加作品『次回作!』 作・演出 トクダタクマ
2016年9月16日(金)〜18日(日) てあとるらぽう
http://co-wappa.jimdo.com/

■新沼たかゆき 出演
ザレ×ゴト第13回本公演『天使の決断(仮)』
2016年12月16日(金〜19(月) 中野MOMO
http://www.zarexgoto.net/

■モラル 作・演出
犬と串 case16『タイトル未定』
2017年初旬 都内某所
http://inutokushi.com/

■葛生大雅・松本亮吾 出演
演劇ユニット 巨乳の彼女を創る
第三回公演『東野くんが付き合って二周年らしいけど、僕は0 秒だよ( 仮)』
2017年冬
http://gekinyuso.wixsite.com/gekinyuu

Copy right うんにゃらかんにゃら.....