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-今村 本日はどうもありがとうございました。これよりおわりの会の始めさせて頂きたいと思います。本日のゲストは「キ上の空論」より中島庸介さんです。どうぞ。

 (中島、登場)

-中島 よろしくお願いします。

-今村 はじめに、靴がおそろいなんです!

 (お揃いの靴を自慢する二人)

-今村 それはいいんです。ありがとうございます。

-中島 ありがとうございます。

-今村 (おわりの会の趣旨説明が入り)というわけで…。

-中島 靴お揃いですね。

-今村 お揃い。エアマックス95っていう靴でして。もう20年前の靴ですよね。

-中島 そうなんですよね。

-今村 まあ、それはいいんです。

-中島 いや、広げましょう。

-今村 広げるんですか?

 (会場笑い)


※1 エアマックス95
 ナイキを代表するランニングシューズ「エアマックス」の中でも1995年に発売されたモデルの通称。あまりの人気に品薄状態が続き、エアマックス95を狙った「エアマックス狩り」と呼ばれる事件が多発し、社会現象となった。恐らくは当時中学生だった2人の憧れのアイテム。









-今村 まずは「キ上の空論」についてお話伺いたいんですけど。

-中島 はい。

-今村 元々「リジッター企画」の作・演出をされていて、どうして「キ上の空論」を作ろうと思ったんですか?

-中島 「リジッター企画」は、もう、ブラックファンタジーとか、もうちょっと上の題材をエンターテイメントで歌ったり踊ったりとかしながら表現していくんですけど。

-今村 はい。

-中島 東京に来て…あ、(自分は)岐阜出身なんですけど。東京に来て、会話劇すごい面白いなって、会話劇だけをやるところを作ろうと思って。それで始めたのがきっかけです。

-今村 そうなんですね。

-中島 そうなんです。

-今村 「キ上の空論」は、中島さん1人。

-中島 僕1人ですね。

-今村 1人ユニット。で今回は「キ上の空論」として出演していただきました。2013年とか旗揚げですか?

-中島 そうですね。2年半くらい経ちますね。

-今村 僕はその「リジッター企画」をガッツリやってる中の「キ上の空論」だったので、もっと、、「キ上の空論」の活動自体あんまりやらないのかと思ってました。

-中島 そうですね。

-今村 お一人ですし、こんなに公演を打ったりしないのかなと思ってたら、がガンガンやってますよね。

-中島 いっぱいやってますね。(両劇団とも)年3ずつくらいやってますね。

-今村 凄いペースですね。リジッターさんが、さっきも言っていたように歌ったり踊ったりもするファンタジー。(キ上の空論は)会話に寄ってるって考えて良いんですかね?

-中島 でも…なんか、今回、15 Minutes Madeが「名刺代わりの作品を」っていう趣旨じゃないですか?

-今村 はいはい。

-中島 でも、パンフレット読んでもらったらわかるんですけど、全然、今回名刺っぽい作品ではないですね…。

-今村 そうなんですか?

-中島 普段は、なんか結構「キュイ」さんがやってたみたいな、音にハメて会話を差し込んでいくみたいなのを、結構やってて。

-今村 じゃあその、なんていうんですか。会話ってよりも、もっと言葉とか…。

-中島 そうそう、そうですね。僕はあと音楽とか、そっち系に。

-今村 中島さんのやりたいことを表現していくという。

-中島 そうですね。








-今村 今回どうですか、15 Minutes Madeに参加してみて。

-中島 いやもう、なんかトップバッターなんでもう…(客席に)どうですかね?

 (会場、笑い)

-中島 トップバッターがホント、緊張します。

-今村 そうあのー、僕らは本番が始まる2週間くらい前にネタ見せをしていただいて、各集団さんに通し稽古見せていただいて、これが一番お客さんにとって見やすい順番だっていうのを組むんですけど。だからそうですよね(中島さんが)「トップバッターをやりたい!」って言ったわけではなく。

-中島 ちょっとあの、あれなんですよ。今村さんと、初めて今回のお話させて頂いた時。

-今村 はい。

-中島 喫茶店で。

-今村 はい。新宿の。

-中島 新宿の喫茶店でお話したんですけど。

-今村 はい。

-中島 その時に、「トップバッター以外でお願いしますって」ってお願いして…。で、じゃあ僕オファー受けますって…。

 (固まる今村)
 (会場、笑い)

-中島 これずっと言ってなくて、アフタートークで絶対言ってやろうと思ってて。

-今村 …。

-中島 であのー、トップバッター以外でお願いしたんですけど。

-今村 はいはい。

-中島 いや、結果いいんです!いいんです!結果良かったなと思ってるんですけど。

-今村 …覚えてる、覚えてる。

-中島 (笑)。

-今村 はい、そうです。

-中島 結果でも、作品全部見て、僕らのが一番スタンダードだったので、今村さんが仰る一番で良かったなって。

-今村 ありがとうございます。








-今村 実は僕らとしては、あのー、最初にスタンダードなお芝居ってものを見ていただいて、で、その後「ぬいぐるみハンター」みたいな勢いのあるお芝居があって、で、ホラーが入って、なんか変な感じになって休憩するでしょ?

 (会場、笑い)

-今村 ホラーだ…って、なんかザワッとして10分間休憩の時間でちょっと前半を反芻していただいて。で、「かわいいコンビニ店員飯田さん」みたいな割とフィジカルな会話劇、コメディータッチのものがあって、で「キュイ」さんのような演劇の裾野を広げていくような表現が入って。で、僕らMrs.fictionsは毎回その、各集団さんに、さっきも中島さんに仰っていただいたんですけど、(作品の)しばりとかを設けずに各劇団の色が一番出せるような、自分たちはこういう集団っですよっていう、自己紹介が出来るような「名刺代わりになるような作品」を出してくださいと言ってるもので…。もちろんどんな作品が出てきても嬉しいんですけど。その代わり、この15 Minutes Madeって公演を気持ちよく終わらせなくちゃならないっていうところがありまして、どんな作品が来てもこの公演を締めくくれるようなっていうことを念頭に置いて、作品は作っています。でも、まあ僕らも全然、最後じゃない時もあるんですけどね。

-中島 でも今回のはもう、やっぱ、最後ですよね。

-今村 今回はちょっと、締めくくりっぽい作品に仕上がって。

-中島 いいですよね。

-今村 ありがとうございます。

-中島 泣いちゃうんですよねぇ今回…。

 (ものすごくしんみりする中島)

-今村 そんな、ちょっと…。

-中島 ただ、トップバッターって決まった時は、一週間くらいLINEは荒れましたよね。LINEグループは。

-今村 まじで?ホントすいません。

-中島 「どうしよーどうしよー」みたいな。

-今村 「辞める?辞める?」みたいな。

-中島 いやいやいやいや。

 (会場、笑い)

-中島 いやでも、すごい良かったなとは。すごい、間を使う芝居なんで。トップバッターが良かったな。

-今村 一番たぶん、お客さんにしっかり見ていただける順番かなと思っていて。これあの、各集団さんが作品を出してきてくれて、一つ一つの集団は別なんですけど、公演の一つの流れみたいなものがありまして。多分今日の夜の回、かなり、全体良かったんじゃないかなと思うんですけど。こんなことを言うのは何だけれども、やっぱり、まあ生ものなので…あるじゃないですか。それはやっぱり、キ上さんの入りが良かったから…。

 (中島、「またまた、お上手なんですから」といったようなジェスチャー)
 (会場、笑い)

-今村 いやそういうことじゃなくて。やっぱり、ぜんぜん違う集団が6つ並ぶんだけど、一つの公演、ワンステージとしてみた時に、流れができますよね。

-中島 そうですよね。やっぱ、お祭りみたいなものなので。どの団体って言うよりは、全員で…。

-今村 繋いでいくっていう。

-中島 そう思いますね。








-今村 今回の作品の話しなんですけど。一応再演なんですよね。

-中島 そうですね。もともとは標準語で初演をやってて。短編集で。

-今村 はいはい。

-中島 今回は方言で、田舎っぽい話にしようかなと。

-今村 でもあれはすごい、方言…岐阜弁?岐阜出身なんですよね。

-中島 そうですね。

-今村 方言がすごく合ってる芝居だと思いっていて。あの、東京との距離感というか。東京から帰ってくるっていう距離感が正しく在る方が、説得力がある。あと、岐阜弁ってなんか、いいですね、柔らかい。

-中島 ね、なんか、そうみたいですね。僕はもう、聞き慣れちゃってるんで。

-今村 稽古場に行かせていただいた時に、あの、中島さん普段標準語でお話されてるのに、今回ばかりは岐阜弁で演出されてましたね。

-中島 あ、ホントですか?や、いつもそうですよ。

-今村 ホントに?

-中島 いつも岐阜弁で結構、話しますよ。

-今村 中島さんの使う「やお」ってすごい、柔らかい。

-中島 ホントですか。使っていきますよ。

-今村 役者の皆さん、地元は全然別々…どちらですか?

-中島 秋田、あと北海道…あと一人…。

-今村 キャストのみなさんの岐阜弁はどうでした?

-中島 あでも、今まで岐阜弁の芝居やってきて、今回が一番完成度高いかもしんないですね。

-今村 おお。

-中島 岐阜弁の作品、3つくらいやってきたんですけど。一番、岐阜弁だなって思って。

-今村 聞いていて。

-中島 そうなんです。

-今村 結構、ナチュラルというか。いいですね、それは。今回は完成度高い岐阜弁で。

-中島 僕が全部、喋ったのを録音して。自分の声を。

-今村 へー。

-中島 役者に毎日聞いてもらって。

-今村 すごい。

-中島 だからすごい頑張って、主演の竹ちゃん(竹川絵美夏)なんか毎日、夜寝る前に僕の声を聞いて…。

-竹川絵美夏 (客席から)やな言い方やめてください。

-今村 全然そんな、毎晩聞いて寝るわけじゃないでしょう。

-中島 いや、毎晩俺の声を聞いて。

-竹川絵美夏 毎晩。ホントに毎晩です。枕元で。

-今村 真面目が裏目に出てますね。

 (会場、笑い)

-中島 聞いてたらしいですよ。

-今村 なるほどなるほど。それでもう、自然と岐阜弁が出るようになって。

-中島 そうだと思います。

-今村 大変ですよね、イントネーションの細かいところまで。

-中島 そうなんですよね。しかも結構、東京にお住まいの方のほうが、岐阜弁は上手いんです。

-今村 へー。

-中島 関西とか、方言を持ってる方は、ズレちゃうんですよね。

-今村 なるほど。僕、東京生まれ東京育ちなんですけど…。

-中島 あ、じゃあ絶対うまいですよ。

-今村 なんか一つ、練習問題みたいなのありますか。

-中島 …(岐阜弁で)「言っとるやんね」。

-今村 「言っとるやんね」。

-中島 そそそう、そうですそうです。「さっきからそう言っとるやんね」。

-今村 「さっきからそうやって言っとるやんね」。

-中島 あー!めっちゃ上手いっすよ!

-今村 ホントに?

-中島 ごめんなさい、すごいテンション上がっちゃった。

 (会場、笑い)

-今村 なるほど。元々僕が関西出身で、関西弁使いだったとしたら…。

-中島 そうなんです、関西弁に寄っちゃうんです。

-今村 なるほどなるほど。それはあるかもしれないですね。「言っとるやんね」。

-中島 あー上手い!

今村 「言っとるやんねえ」。言っとるやんねしか、言えないですけど。








-今村 それで今回の物語なんですけど、当日パンフレットを見たら、友達の話っていうのは。

-中島 実話で。

-今村 実話なんですか。

-中島 お兄ちゃんの方が友達で。

-今村 ほんとに結構、実話なんですか。

-中島 実話はもっと、重い…。だからもっと柔らかくしました。なんか、ちょっと青春っぽくしたくて、ちょっと柔らかくしましたけど、実際はもっと結構…。

-今村 鼻くそもガンガン食べるし。

-中島 いやそれはないですけど。

 (会場、笑い)

-中島 関係性がもっと結構アレで。結構、誰にも言えなくて悩んでたんで、なんかこう「芝居にしてくれたりしたらええのにな」みたいなことを言われて。

-今村 ほー。

-中島 で、芝居にして。これ短編なんですけど、長編も一本書いたんで。

-今村 へー。それはこの場で言っちゃっても大丈夫?

-中島 全然全然。

-今村 実際の、友達の話し。

-中島 先輩ですね。

-今村 見ていただいたりとかしたんですか?

-中島 えっとね、見てもらってないですね。今はもう普通に結婚して、奥さんもいらっしゃって。

-今村 そうなんですね。でも、それをお芝居として作ってっていう…見てもらいたいですね。

-中島 いつかは見てもらいたいですね。実話でやってますって、ガンガン言っていいって言われたんで。

-今村 うんうんうん。でも、会話であったりとか細かい設定は…。

-中島 それは変えてますけど。そうなんですよ、びっくりしますよね。

-今村 それ結構びっくりの事実ですよね。

-中島 まあその、鼻くそ食べたりだとは、ただの創作ですけど。

-今村 はい。もうそれが聞けただけでまた一つこの作品の見え方が変わるんじゃないかと思います。。








-今村 ごめんなさい、僕まだまだ話していたいんですけど…。

-中島 あら。

-今村 なんと、そろそろお時間が近づいて参りました。あ、そうだ、じゃあ他の集団とかでどこか気になってるところとかありますか?

-中島 フィクションズさんですね。

-今村 あ、僕ら。

-中島 元々ファンなんですよね。あの、フィクションズさんのファンで、一度フィクションズさんの戯曲(※2)を使って演出させてもらったことがあって。

-今村 そうだそうだ。ありがとうございます。

-中島 そうです。元々好きなんです。今回のはホント、めっちゃすごい…稽古場で初めて見た時に、もう…(泣けて)きちゃって。

-今村 ありがとうございます。

-中島 岡野さんがまた。

-今村 手数が多いですからね、15分に収まるかなって我々心配だったんですけど。

-中島 でもフィクションズさんが一番好きですけど、皆さん平等に、全部面白いです。いつも大体(本番を)見てるんですけど。

-今村 そうですね、バランスの良い15 Minutes Madeになってると思います。楽しんでいただけてたら嬉しいです。


※2 フィクションズさんの戯曲
 2015年12月に行われたキ上の空論の短編公演、みじかいはなし#1『ああ、色は思案の外』にて、Mrs.fictions中嶋康太の書いた短編「東京へつれてって」を上演。




2016年8月15日(月)19:30実施のアフタートークより書き起こし




上演記録
キ上の空論 「日々が黒くなるその前に…って、」

作・演出:中島庸介
出演:聖(セイ)…竹川絵美夏
   輝(テル)…富田喜助(第27 班)
   真(マコト)…池田萌子



今後の予定
 中島庸介 twitter   竹川絵美夏 twitter   富田喜助 twitter   池田萌子 twitter

■キ上の空論
サンモールスタジオ提携公演
『幸福の黄色い放課後』『幸福の黄色い10 日後』
2017年3月23日(木)~4月2日(日) サンモールスタジオ
http://ameblo.jp/kijyooo/

■富田喜助 出演
第27班キャビネット公演vol.3
『耳の奥で王様が笑う』
2016年8月27日(土)~9月4日(日) 新宿シアター・ミラクル
http://blog.livedoor.jp/team_27/

■池田萌子 出演
フロアトポロジー第7回本公演
『.のメルヘン』
2016年10月5日(水~10日(月・祝) 千歳船橋APOC シアター
http://floor2013tokyo.wixsite.com/floor-topology-hp

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